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観光関係の仕事は、全国の機関同士で連絡が取れているのですね。最初、和歌山県の観光課から電話があった時はビックリしました。 観光課の津村幸男氏の案内で、まず高野山へ・・・・・・。(実は高野山は奈良県だと私は思っていました)雪の高野山で南無大師遍照金剛と唱えながら見学、宿坊に泊まって夜ふろに入ろうとしたら、湯船の中は人間の頭ばっかりでお湯が見えません。ガタガタ震えながら「すんまっせん、あたしも入れてつかあっさい」(すみませんが、私も入れてください)「おみぃ、どごからきたの」(あなたは、どこから来たのですか)山形県の団体客のようです。「へーれ!へーれ!いっしょにハア」外は雪。軒先にツララが下がっていました。 次は滋賀県からの依頼です。琵琶湖に面し京都に近い大津の県庁に恐る恐る顔を出しましたら「九州は観光の先進県ですから、何かと教えてください」と言われて恐縮してしまいました。 ここでは、比叡山延暦寺、僧兵、弁慶、賤ヶ岳の七本槍古戦場など、歴史上に有名な場所の数々を実地で見聞し、かえって自分の勉強になったものです。 さらに、こんどは山梨県庁からの電話です。 和歌山、滋賀の体験から思うと、慌てて勉強するよりも、自分が旅行者の身になって、感じたことを表現することの方が大切なようで、こんどは取材中にも長野県に泊まったり、東京から出掛けてみたりして、外からの山梨県の良さ、欠点を探るように心掛けました。 山梨県は、武田信玄のふるさとです。北に秩父多摩国立公園があり、西に南アルプスが望めます。身延山のしだれ桜や、桃の花咲くころは見事でした。 富士山はどこからでも見えます。ただし、富士山が太陽の光をさえぎり、その影が邪魔で作物が取れない所もあり、そういう昔の人の苦労の歌などが今も残っているのを知って、なるほどと思ったりもしました。 おかげさまで私はこの時、パンフレットのほかに、山梨県内のポスターや箱根、富士山のポスターまで描かせていただきました。 関西旅行をした友人が、私が描いた高野山や白浜温泉のポスターを見てうれしかったとか、山梨県勝沼のブドウ狩りのかごのレッテルに、私の絵があるのを見て驚いたというような話を聞くとうれしいもんでした。 ![]() 観光パンフレットの表紙 (1993年 画家 著書より) |